最良の日本酒『大黒正宗(特別純米)』と味わう
神戸牛の味噌漬に合う日本酒を探し求めて見つけた「大黒正宗」。香ばしく焼けた神戸牛味噌漬を肴にこだわりの日本酒を味わう。
そんな豊かでゆったりとした時間をお届けしませんか。
神戸牛の味噌漬はまだ重量が「匁(もんめ)や貫(かん)」という単位だった時代からある本神戸肉森谷商店で最初にできた牛肉の加工品です。当時は保冷剤やクール宅急便などありませんから生肉を全国へ発送することはできませんでした。しかし、「神戸牛を土産に持ち帰りたい。」というお客様からの要望が多かったため、何か方法はないかと考えついたのが味噌漬でした。優秀な保存食として昔からある味噌に神戸牛を漬け込むことにより長時間持ち歩くことが可能となりました。そして、持ち帰りだけでなく貨物列車で全国配送ができるようになったのです。
牛肉と味噌。一見合うように思えない組み合わせですが、味噌には材料の臭みや油分を吸着する力があります。敬遠されがちな脂身は味噌漬にするとしつこさがなくなり
逆に甘みと旨みが増し、さらに味噌特有の香ばしい香りが食欲をそそります。
味噌は西京味噌をベースにした独自の調合味噌を使用しています。
甘口の西京味噌と神戸牛の肉の甘みが絡みあい、生肉とは全く違うまろや
かで滋味豊かな味へと変貌させるのです。
すでに味噌の味が浸み込んで味がついていますので焼くだけで食べられます。ご飯にも、またお酒にも良く合い、冷めてからでも美味しく召し上がれますのでお弁当や夜食にも喜ばれます。
※調理のポイント
表面の味噌をできるだけ取り除き、薄く油を引いたフライパンかグリルで
焼いてください。焦げやすいので火は弱火でじっくり焼いてください。
肉にはワインというイメージがありますが、お米を原料としている味噌漬には同じくお米を原料とする日本酒がよく合います。味噌に漬けた神戸牛は生肉とはまた違い、肉の旨みと脂を甘めの白味噌が 包み込み、濃厚で風味豊かな旨みを生みだします。この旨みをより美味しく召し上がっていたくための日本酒を探していたところ、安福又四郎商店の「大黒正宗」にたどりつきました。
あまりイメージにないように思われますが、実は兵庫県の日本酒の生産量は 日本一で、日本全体の約30%も製造されています。その中で神戸市の灘から西宮までの沿岸部に広がる醸造地域を「灘五郷」と 呼び、みなさんがよくご存知の白鶴、菊正宗、日本盛、大関、沢の鶴など 名だたる酒造メーカーがこの灘五郷にあります。なぜ灘五郷ではおいしいお酒ができるのか。それは酒造りにかかせない条件が揃っているからです。
酒作りに使われる酒米は「山田錦(やまだにしき)」が有名ですが、その原種は兵庫県で生まれました。
全国で数々の賞を取る日本酒のほとんどはこの「山田錦」から作られており ますが、それぞれの地元で栽培されるにつれ同じ品種であっても味や特徴は 変り、元の山田錦とは違う特性を持つようになります。そのためその遺伝的特性が変らぬように兵庫県が厳しく山田錦の原原種(げんげんしゅ)を管理しています。
これは神戸牛をはじめとする日本の有名ブランド牛の素牛(もとうし)が兵庫県の但馬牛だったことと似ています。
同じく素牛である但馬牛の雄とその精子は兵庫県が厳重に管理しています。そして今では但馬牛を100%素牛とするブランド牛は神戸牛のみです。
日本酒は水と米と麹からできています。その水の割合は約8割ですから仕込み水は日本酒の味を左右する非常に重要な要素です。
兵庫県の神戸市から西宮市の市街の背後に東西にかけてそびえる六甲山地 からの伏流水をはじめとする3つの伏流水と海水のミネラルが混じる 西宮神社の南東一帯にだけ湧き出る水を「宮水(みやみず)」と呼びます。宮水は中硬度の水で、酵母の増殖を促す働きがあるミネラルの成分が多く、 また反対に害となる鉄分は非常に少ないため酒作りには理想の水とされ 「天与の霊水」と呼ばれています。
もちろん日本の名水百選にも選ばれており、「灘の生一本(きいっぽん)」と 呼ばれるキレのある味はこの宮水から生まれるものです。
しかしながら、都市化が進むについて湧き出る水量も少なくなり、
酒造会社や市で様々な保護の取り組みを行い、現在は毎年の水質検査と 出水制限を設けて宮水を守り続けています。※宮水は水道水より緑がかっています。
神戸の冬には六甲山地から港に向けて下りてくる「六甲颪(ろっこうおろし)」と呼ばれる冷たい季節風が吹き荒れます。この肌を突き刺すような低温の風が雑菌の繁殖を抑えて酒をゆっくりと発酵させ品質を向上させる大切な役割を果たします。
ですから灘五郷の酒蔵は屋根が高く、窓は北向きに設置して多くの風を蔵に 取り込むように東西に長く建てられています。このような自然環境を生かし、灘の酒は敢えて低温下で酒造する「寒仕込み」 を主体として発展してきました。
神戸の酒造りの発展には「丹波杜氏(たんばとうじ)」の存在はかかせません。杜氏は酒造りの長であり、酒蔵で働く蔵人をまとめ酒の味を決定する者です。その杜氏が選んだ蔵人たちが一つの集団として働きその技術を競い合い、 灘五郷の酒造は大きく発展しました。丹波杜氏は春から秋にかけて米作りをし、冬には灘で酒を造ります。米作りの名人だからこそ知り得る米の特製を生かし、醸造期間の短縮など 高い技術で灘の酒造りを押し上げたのです。
その腕を見込まれて、丹波杜氏は日本各地の酒蔵を指導し日本酒のために 活躍続けてきたのです。
その灘五郷の数多ある酒蔵の中でも森谷商店の神戸牛味噌漬にために選んだ日本酒が安福又四郎商店の「大黒正宗」の原酒です。
宝暦元年(1751年)に創業、現在で11代目となる灘五郷の老舗蔵元です。
創業以来、神戸・灘で日本酒を造り続けてきましたが、1995年1月17日、
阪神淡路大震災により木造蔵はすべて倒壊。残ったのは鉄筋蔵1棟のみと なってしまいました。
震災では灘五郷でも50以上あった蔵が約半分となり、廃業に追い込まれ
る酒蔵が多数ある中、安福四郎商店もまた大きな岐路に立たされます。
このまま続けていけるのだろうか・・・
歴史ある酒蔵をやめてしまってもいいのだろうか・・・
社長の安福 節子さんは迷い、そして自分の心に深く問いかけました。
その時安福さんの頭の中に真っ先に浮かびあがったのが、お酒を飲む皆の 喜ぶ顔でした。おいしいお酒を飲んで楽しい気持ちになってもらいたい。 お酒を介して人とつながり、喜びを分かち合いたい。
そう思えた時、「蔵を応援して下さる方がおられる限り、どんな状況でも
酒造りを続けていこう!」と決意したそうです。
小さいながらも最上の原料を使い、目を離さず、手間を惜しまず、
心をこめて造る手づくりの酒を提供していくことを心に誓い、
「大黒正宗」を醸し出し続けることとなったのです。
しかしそんな懸命な思いとうらはらに2014年。
たった一つ残った鉄筋蔵も老朽化が激しく撤去せざるを得なくなりました。
「もうこれから酒を造ることはできない。」と廃業を覚悟した時、日本最
大手の酒造メーカー白鶴酒造が自社ラインの貸し出しを申し出てくれたのです。
震災以来廃業が続く灘五郷の存在を危惧していた白鶴酒造は、以前より
安福又四郎商店の井上さんの酒造りの腕に注目しており、
これ以上の灘五郷の衰退を防ぐために手を差し伸べてくれたのです。
現在、安福又四郎商店の「大黒正宗」は白鶴酒造が最高級酒を造るライン
で製造されています。設備や環境が整い、酒造りに対する思いはますます募り、 「日本一の晩酌酒」を目指して、いつかは自醸蔵を再建するという
夢に向かって意気込んでいます。
全国新酒鑑評会で金賞受賞など多くの受賞暦を持つ大黒正宗の酒造りは夫婦2人で醸す小さな酒蔵です。
震災後、たった一つしか残らなかった鉄筋の酒蔵で、他の蔵から一目置かれる高木杜氏の下で15年以上修行し、その技術と思いを全て受け 継いだ井上さんとともに蔵人として酒造りを行ってきた奥様と夫婦で造り上げる酒。それが「大黒正宗」です。
1993年、兵庫で菊栄と山田錦、兵系23号を掛け合わせて育成した酒造好適米です。 その特徴はなんといってもその粒の大きさと心白の出現率が高いことです。 心白(しんぱく)とは米の中心が白く濁った部分で食米にほとんど見られない酒米の特徴です。心白は雑味の元となるたんぱく質や脂質が少ないため、出現率が高いということは強い糖化力のある麹ができるということです。 この心白以外の部分を削って作る日本酒は雑味の少ないすっきりとした味わいになります。
現代の科学を以てしてもなお酒造に好適であったのかその謎が解明されていない神秘の「宮水」は水質保全のため都市開発の条例がつくられ地域で守ってきました。
無尽蔵に使用できるわけではない中で、大黒正宗はその貴重な宮水を100%使用して贅沢に造られています。
宮水を使用した日本酒は辛口でキレがあるのが特徴ですが、この大黒正宗もキレがあり瓶詰め後も熟成して味がのってくる「灘酒」の正統な系譜です。
米は自然のもの。毎年同じ出来栄えに作られることはありません。そして、麹菌も酵母も生き物。常に同じ状態にあるわけではありません。その上、日本酒は製造工程が多く複雑なため、醸造責任者の力は味に大き
く影響を及ぼします。
大学で醗酵生産学を学びこの世界に入ってきた井上さんは、丹波杜氏である前杜氏に見込まれて「お前に俺のもつ技術の全てを伝える。」とその身一身にたたき込まれました。灘の生一本と呼ばれる伝統の味を生み出す技と井上さんの持つ化学の知識、
そこへ奥様の持つ女性らしさが加わることで力強さの中にほっとした優しさが加味されます。
そして夫婦で醸すその味は年々深みを帯び、「最高の晩酌酒」への道を確実に歩み続けています。
「和味良酒」
良い和が良い酒を生む。
それは酒造りのチームワークを指し、またお客様や販売店、酒蔵との縁も意味します。単に売れればいいという姿勢では売りたくはない。安福又四郎商店の酒への思いに共感し、お客様と安福又四郎商店の橋渡しをする販売店にのみ特約店販売という形で流通しています。
とても小さな酒蔵です。酒造りに従事するのは夫婦たった2人だけ。白鶴酒造の社員の手伝いはあるものの、それでも生産量はけっして多くはありません。こだわりの原料と妥協しない丁寧な仕事。それは全てお客様の喜ぶ顔を見たいから。しかし、蔵元では実際に飲まれるお客様と接する機会はそう多くありません。ですから自分たちがどんな思いで大黒正宗を造っているのか。そして、自分たちが作った酒はお客様の笑顔を引き出せたのか。飲んだお客様はどんな感想を言われたのか。作るだけでなくお酒を通してお客様と繋がりたい。蔵元、販売店、そしてお客様。3つの力が合わさって初めて大黒正宗という酒はこの世に生み出されるのです。
森谷商店も単に肉を売るだけでなく、それを召し上がっていただいたお客様の「おいしい顔」を思い描きながら日々販売しています。肉を通して少しでもお客様に幸せになってもらいたい。そんな思いを同じくする大黒正宗にたどり着き特約店としてこの大黒正宗を販売することとなりました。
大黒正宗は食中酒といって料理と一緒に味わうための日本酒です。実は日本酒というのは個性が強く、料理との相性をみるのがなかなか難しいのですが、大黒正宗は食中酒にこだわって作られた日本酒です。
大黒正宗は冷や、常温、熱燗、全てにおいて肉の旨味が感じられ、尚且つ味噌漬の味と香りの余韻が楽しめる抜群の組み合わせです。味噌漬にした牛肉の濃厚な旨みに寄り添い引き立てる。けっしてでしゃばらず、どんな料理にもあう。
このような見事な食中酒はめったにお目にかかれません。特にキリッと冷やした冷やと上燗(熱めの熱燗)の相反する飲み方で味噌の香り、肉の旨みと米の甘みとが絡む心地よさをぜひ味わってみてください。
*原酒とは、製成後加水調整(アルコール分1%未満の加水調整を除く)しない清酒のこと。(出典:改定「灘の酒用語集」より)
「吟醸造り」とは精米歩合60%以下に削った白米を原料に用い、10℃前後の低温で1ヶ月近い時間をかけて発酵させる製法です。低温で発酵させることにより香り成分が閉じ込めれられますが、低すぎると麹や酵母の活動がおさえられ旨味成分が引き出されなくなりますので慎重に製造管理を行う必要があります。
このように時間と手間をかけて作られる吟醸酒は独特のフルーティーで華やかな香りと繊細な味を生み出します。 大黒正宗「特別純米」はこの「吟醸造り」に1回の火入れ(瓶詰め火入れ)を行い、味のきれいさと米の旨さを残したバランス良い味わいを目指すこだわりのお酒です。
大黒正宗「特別純米」は米と米麹のみで造られ醸造アルコールは一切使用していない「純米酒」です。そのため米本来がもつ旨味やコク、ふくよかさなど濃い味わいがでます。 本来は製造方法からもスペックとしては純米吟醸規格ですが、燗酒でも映える良さを知っていただきやすくするため、あえて「特別純米」としました。 しっかり寝かせて米の旨みが豊かでありつつ、六甲山系の伏流水で割り水することで、春から夏にかけても飲みやすい軽さを兼ねそなえた「特別純米」は料理との相性がよく、香り控えめの辛口の食中酒です。
冷酒から燗酒まで、オールマイティに幅広い温度帯でお楽しみいただけます。
・冷酒でスッキリとした切れ味
・常温は優しい甘さで余韻のある味
・燗酒は風味豊かな旨味のある味
温度帯で印象が変わるので季節折々のお料理合わせることできる興味深いお酒です。
これを飲んだある飲食店の店主は衝撃を受け、ぜひ自分の店でお客様に提供したいと申し出ましたが特約店制度がありすぐには実現できませんでした。
それでもどうしても諦めきれず「新聞紙で包んで銘柄を隠すから店に置かせてほしい。」と頼み込み、実際にそうやってお客様に提供し、銘柄を尋ねられても決して教えることはしませんでした。
これほど料理人に惚れ込まれたエピソードを持つ大黒正宗をどうしても森谷商店の神戸牛味噌漬と合わせてお客様に提供したい!そんな思いが実り、当店でもこの販売できることとなりました。
ただ、原料にこだわり、本当に丁寧に造られるため大量に醸造できるお酒ではありません。
売り切れの際はご容赦ください。
日本酒が苦手な女性でもたいへん飲みやすいお酒です。ご夫婦で晩酌のひと時を楽しめることでしょう。
※未成年者の方には酒類を販売できません。
予めご了承くださいませ。
ご注意
こちらの商品について
お酒は瓶詰めですので、お届け先不在時でも冷凍には切り替えられません。
商品の品質保持のためにもお届け先様のご在宅日をご確認いただきましてからお届け日のご指定をされることをお勧めします。